消しては書き、消しては泣き。

読んだ漫画の感想を書きます。週刊少年ジャンプが好きです。

【2021年19号】週刊少年ジャンプ感想:アオのハコ「#1|千夏先輩」

 おはこんばんちは。消しゴムです。今日は2021年4月12日発売の『週刊少年ジャンプ19号』に第1話が掲載された三浦糀『アオのハコ』の感想を書いてみたいと思います。

shonenjumpplus.com

概要

 今週号表紙のアオリによれば本作は「心弾み気持ち跳ねる青春部活ラブストーリー」とのことです。中高一貫の共学を舞台とした恋愛漫画であり、主人公で低ランク田舎中学校には少子化の影響から存在すら許されないバトミントン部所属の猪俣大喜(中3)と、暫定メインヒロインでブログ主が最も苦手な人種の一つであるバスケ部所属の鹿野千夏(高1)を中心に繰り広げられる恋模様を楽しむタイプの漫画だと思われます。1話では猪俣が鹿野に好意を持っていることが明かされ、友人かつ部活仲間の笠原匡にけしかけられたりタメの恋バナ大好き女こと蝶野にからかわれたりしながら鹿野パイと猪俣くんが距離を詰めてよろしくねした後、まさかの同居!?となった場面でto be continued...でした。

猪俣大喜の印象

 猪俣はぱっと見独りよがり系思い悩み思春期ボーイですが特に鹿野パイを意識していない場面での行動力は高めです。名は体を表すかの如くに高めな行動力は一方でややかかり気味で前のめりともいうことができ、朝練前にくしゃみをした鹿野パイにいきなり自分のマフラーや水筒、ホッカイロを差し出したり、鹿野家の海外引越を聞いた際には事情を尋ねることなしに鹿野パイに思いの丈をぶつけて空回りしたりと、なかなかかわいげのある少年です。憧れの鹿野パイにだけシャイでウブなのかといえばそうではなく、例えば割と仲がよさそうな蝶野に170㎝台に乗っていない身長をからかわれた時には面と向かって張り合っていたくせに、「女子がされてうれしいこと」を尋ねる場面では顔を合わせずに照れている様子が窺え、女子全員にフラットに接することができるわけではないことが予想できます。ブログ主の激狭な読書遍歴からしても「the 清純系恋愛漫画の男主人公」といった印象です。

鹿野千夏の印象

 ブログ主的にはこういうタイプのキャラはあんまり好きではないです。ガチ朝練中にバスパンのポッケにキットカットもどきを入れる奴があるか、という誰目線かもわからない理由はさておき、無駄な距離の近さとそれを含む彼女のふるまいが「こいつはヤバい」と私の魂に訴えかけてくるのです。そんな評価はさておき、彼女はそのルックス由来の人気者でありかつバスケの実力者で、いわゆる高嶺の花的な存在であるにもかかわらず、負けず嫌いで努力家という一面をも併せ持つ完璧超人です。どうせあまり深い仲ではない人々からはその外面により、逆に近しい人たちからはない面とのギャップでさぞ数々の犠牲者を生んできたことでしょう。というか鹿野パイの可愛さであの距離感でこられたら大体の人が好きになると思います。その危機に陥りそうになるたびに私は彼女が「訪れた入居先でなぜかさっそくインスタントコーヒーを淹れようとする厚かましい女」だと決めつけてなんとか好きにならないようにするわけです。見方嫌味過ぎじゃない?それはそうと彼女の純潔はすでに失われているのでしょうか、あるいはこれから失われることになるのでしょうか。私、気になります。

蝶野雛の印象

 蝶野といえばガッデムの人、ガッデムの人といえば筋肉、ということでマッチョ好きの同級生新体操部の女が出てきました。本邦では太古の昔より「新体操部の女は曲者である」との言い伝えがあり、そのことは歴史的に見ても明らかであることからして、この蝶野が猪俣をめぐって鹿野パイとガチバトルを展開することは自明です(本当に?)。私には彼女が好きな相手(=猪俣)の前では素直になれずに筋肉質が好きとか宣ったことをぐじぐじと後悔して枕を濡らす姿までハッキリと脳裏に浮かびました。フォロワーさんには「もしマガジンで連載されてることになったら本ヒロインである鹿野パイと付き合う前or後にいったんこいつとのお付き合いパートをはさむ」と予想している方もいましたが、私は長年『生徒会役員共』を熟読しているので「猪俣×蝶野付き合う説」はあまり信じていません。それ以上に私個人としては蝶野目線のえげつなさめな《BSS》が見たい、とはっきり記しておきます。マガジンの某作家だったら本ヒロインである鹿野パイを事故死させるくらいはやりそうですけどね(当方エアプにつき雑語りのため不問とする)。

笠原匡の印象

 いきなり余談ですが、《匡》という漢字に「箱」という意味はなく、正すとか救うという意味があるんですね。主人公である猪俣の友人兼部活仲間として猪俣の恋愛を軌道修正させた実績を持っており、こいつもこいつで名は体を表すタイプです。連載にあたり所属部活不明から主人公と同じバド部に昇格したことからも、この作品が非マイナー文化部員に青春などありえないという観念の下で連載されていることが推察され、せいぜい出てきても吹奏楽部、演劇部、写真部くらいだと思います。もしこの作品で理研究部所属のキャラクターが準レギュラー以上で登場した場合、お詫びとしてこの作品をkindleで全巻購入しTwitterにて報告することを誓います。
 それはさておき、この笠原は今後のストーリーにどうやって絡んでくるんでしょうね。順当にいけば主人公に助言とからかいを与え続ける理解者ポジションで居続け恋愛関係には一切かかわらないパターン、まぁまぁありそうなのがしれっと蝶野が猪俣への想いを相談してたら次第に相談者からよき理解者かつ秘密の共有者となり最終的には恋人に格上げされるというパターン、ジャンプラ連載だったらありそうなのが猪俣のことを好きだったパターンとかですかね。猪俣の行動力からすれば助言とかは意外と早めに要らなくなりそうですし、クールな感じからすれば舞子集的トラブルメーカーキャラでもなさそうなので、『群青にサイレン』レベルで誰かしらに激重感情を抱いてくれてるといいな、と思います。そうはならないだろうけど。

次回以降について

 同居までは日がありそうですが、このことを誰に伝え、誰に黙っておくのかは気になるところです。同居といえばお決まりの風呂、着替え、柔肌や濡れ髪に興奮するシーンなどがぱっと思い浮かびますが、そういうシーンを一気に描くのか、あるいはじっくりと描写していくのか。読み切り版では告って二秒でキスみたいな荒業をやってのけた猪俣ですが、連載版ではそこらへんのスピードはどうなるのでしょうか。蝶野&猪俣の同級生コンビ、読み切りに出てた鹿野パイの部活仲間の陰湿陰口女たちや彼女たちにやり玉に挙げられていた関先輩の登場の有無も次回に期待です。それでは今回はこの辺で。